西粟倉・木の家モデルハウス(日々の暮らしを楽しむシニア世代のための家)






西粟倉村内に、まったくタイプの違うモデルハウスを参考までに、二棟建てて展示しています。例えばこのような家の建て方もあるということを例示するためのもので、これと同じ家を建てるということではありません。ニシアワーでは、木材の販売だけではなく家造りのチーム作りから、お客様のサポートを行っています。



都市部に暮らすヤングファミリーのための家
棟梁:野田祐二 設計:松尾設計事務所

コンパクトで機能的でありながら、なぜか解放感のある間取り。
高気密高断熱で高い省エネ性と経済性。子どもの冒険心をくすぐるロフトや屋根裏。
吹きぬけ部分からリビングにいる家族の様子眺めて読書ができる隠れ家のような書斎。
日々忙しくしながらも子どもたちと一緒に過ごす大切な時間を楽しみ、
そして快適かつ経済的に暮らしていける。そんなヤングファミリーのための家です。




日々の暮らしを楽しむシニア世代のための家
棟梁:小椋正道 設計:ハセガワデザイン、三木設計室

広い土間、土壁、薪ストーブに薪ボイラー、裏の勝手口からすぐに入れるお風呂
シニア世代が、畑仕事、薪割りなどを楽しみながら健康的にアクティブに
過ごすことができるように設計されています。
消費する場所ではなく働く場所として家というものがもともとありました。
そんな伝統的な民家の作り方をとりいれならもモダンなデザインになっています。






戦後の家作りの現実。


大工さんは、木がどう動いたり反ったりするかを計算して家を建てています。さらに家を建ててから十年後にどのような変化があるかも計算しています。それに対して、いまの家は木の扱いが粗末すぎるのです。


伐旬を守るのは大原則。

木を切る時期にも旬があるというのは田舎では常識なのですが、都会の人は知りません。伐旬と言われているのは、秋から冬の木が成長を止めている時期。木が成長している春から夏にかけては、でんぷんの含有量が多く、カビが生えやすかったり、腐りやすかったりする。現在の大量生産を前提にする社会では、伐旬を守ることが難しくなっていて、昔と違って木が腐るような使い方をしているわけです。基礎のコンクリートの上に土台の木を固定すれば、コンクリートの結露によって木が腐りやすくなります。しかし、そうすることを強制しておいて、腐ってはいけないから防腐処理をしなさいというのがいまの法律なのです。このように、もともと自然がもっている命の力を工業的に打ち消していくという方向で、戦後の家作りが行われてきました。




今の科学では証明できないこと。

法隆寺が千年以上も建ち続けているということは、今の科学では証明できません。現在の鉄やコンクリートをベースにしてきた建築学では、木のような生物材料を科学の対象することができていなかった。木は腐るし燃えると言われます。しかし、鉄が永久に持つものかというとそうでもないのです。鉄は比較的短期間で錆びて劣化する一方で、木は旬伐りということも含めて適切な利用がなされていれば長く長くその性能を維持します。法隆寺はそのことを証明しています。

戦前まで火事が多かったこともあって、戦後に都市をつくるときに防火をすごく大事にしてきました。昔はお風呂にして飯炊きにしても、家の中で直接火を炊いていたわけですから、火事は確かに多かったんです。そこから、できるだけ鉄とコンクリートで空間をつくっていくっていくことは、ある意味やむを得ない流れだったかもしれません。


建築家は木のことを知らない。

木の家というのは大工などの職人の世界で、ビルを建てるということが建築学において探求すべき対象でした。建築学の先生達が建築基準法を作っていくわけですから、鉄とコンクリートで建物をつくるという考え方を、木の家にまで当てはめなければならなかったのです。大工の技術は科学的に検証されていないので、なかなか法律にできない。一方で、木造建築を法律の網がかからないようにすることも難しいのです。




最近になってようやく伝統的な家の作り方が科学的の対象になってきました。例えば昔の建物では石の上に柱が乗っていいます。石にくっついているところが腐りやすいのですが、そういう場所は最低限にとどめておいて、腐ってきたらそこだけをすげ替えるということができるようになっていました。木というのは水分さえなければ腐らないのですが、石とか鉄とか堅くて重いものは結露してしまいます。コンクリートに土台の木が直に接していたり、木と木を繋ぐために金具を多用するということは、水を集めて木を腐りやすくするのですが、ほとんどの建築の専門家はそういうことが解らないのです。

木が腐ると地震による倒壊の危険性も高まりますので、化学的に防腐処理を徹底させなければいけない、という話になってしまうのです。そこのところがわかっている建築家や工務店は、基礎部分のコンクリートと、土台になる木との間にゴムのパッキンを入れて、直接木とコンクリートが触れる面積を最小限にするという対応をしています。木が分かっている建築家や工務店は、そうやって法律に適合させながらも木を腐食させないという工夫をするのですが、分からないから何もしない、または見えないところは分かっていても無視することが多いという現実があります。


法隆寺が建ってるという現実。

大学で建築学を専攻しても、木のことはぜんぜん教えられません。それでも一級建築士にはなれます。つまり、一級建築士という肩書をもっている人のほとんどは木造建築についての知識は全くないのが現実です。いまだに木に関するノウハウを持っているのは大工なんです。法隆寺が千年以上前に建てられ、今もしっかりと建っているという事実をしっかり見ることが大事なのではないかと思います。


大工の伝統技術に日が当たる可能性。

住宅建築について、西粟倉村はある意味で無法地帯なのです。違法建築を防ぐために建築確認申請という手続きがあるのですが、それが義務化されているのは都市部に限定されているんです。今の法律で否定されてきた伝統的な木造建築の技術が、西粟倉村のような場所だからこそなんとか生きたまま残されているのです。

本当だったら滅びているはずの技術を受け継ぐ大工が30人も残っている。そこに西粟倉村の可能性があるのです。学問が今になってようやく木造建築というものを考えるときになってきました。「伝統的な技術を受け継ぐ大工による木の家」はある意味、ようやくこれからなのです。


2010.04.05 interview daisuke maki (@daisuke_maki) + photo& webdesign by yasunobu tamari(@tamachangg / marebito style)






西粟倉の木の家についてのお問い合わせ、ご相談は、西粟倉・森の学校 暮らし創造部 井上まで




森の学校 暮らし創造部長
井上達哉

営業マンとしての経験と大学で森林について学んだ経験を活かし、森の学校では、森と暮らしをつなげるコーディネーターとして仕事をしている。

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