ユカハリ・プロジェクト


西粟倉村から始まったユカハリ・プロジェクト。ユカハリとは、住まい手が木材産地から直接購入した「国産材の無垢ユカ」を貼って快適な生活空間をDIYで作り上げ、それによって日本の森林の再生に貢献する活動のこと。それを全国に広めよう、というのがユカハリ・プロジェクト。日本の住空間を快適に、そして日本を森を元気にしようという取り組みが始まりました。

百年の森林構想。

そもそも西粟倉・森の学校ができたきっかけとして、百年の森林構想というのがあります。現在の西粟倉村の森林は、50年生を迎えています。50年前に子や孫のためにと木を植えた人々の想いを大切にして、村ぐるみであと50年、立派な百年の森林に育て上げて行くというものです。森林を育て上げるために、間伐をきちんとしていく。それをできるだけ最終商品にしてお客さまにお届けしたいっていうのが前提にあります。でも木材の既存の市場は収縮傾向あるから、なんとか新しい市場を開発したいって考えが設立当初からありました。

都会には無垢の木の暮らしが無い。

都会で暮らす人たちは無垢の木を暮らしで使うことはないけれど、必要としている人はいるんですよね。自分自身、スギ・ヒノキの内装のマンションに住んでて、すごくよかったんです。無垢だから傷はつくし日によって床と床の隙間とかも違うんだけれども、その快適さからすれば全然気にならなかった。冬でも暖かくて、部屋の湿度も安定していて、とてもとても快適だったんです。東京に転勤になって、賃貸の家を探さないといけなくなって、なんとか東京に無垢床の賃貸を探したんです。でもやっぱり無かった。専門の人に聞いても、「そういう物件の潜在需要はあると思うけど、無垢は難しい。」って、みんな言うんです。お客さんが望んでいるのに、なんでか商品として流通してないんです。

住む人の快適さよりも、売り手の都合が優先されてきた。

専門の人に聞くと、今使われているフローリングが人にとって良いものじゃないっていうのはわかってるって言うんです。床に詳しい人ほど、無垢の良さはわかっている。じゃあなんで流通していないのかというと、お客さんからクレームがくるのが怖いんですよ。とにかくノークレームを目指してきたんです。

無垢床の流通しにくい理由はいくつかあるんです。まず、傷がつきやすいということ。それに貼る手間もかかるし、汚れたときのお手入れも簡単ではない。価格もネックになっていて、今あるフローリングは安いものだと1㎡あたり1000円とかであるけど、無垢でその値段はかなりしんどい。

こういう売り手の都合で、床材はノークレーム・ノーメンテナンスにならざるを得なかった。アルミの粉でコーティングしたりして、冷たくて固くて、化学物質が含まれた床になっていったんです。住む人の快適さよりも、売り手の都合が優先されてきたわけです。

解決策はDIY。


6畳のお部屋のユカハリで、費用は32000円~40000円。所要時間は数時間程度。

望んでるお客さんはいるんだから、流通させるべき。でもクレームが怖いっていうことで、流通しない。だったら、無垢床にしたいっていうお客さんが自分でやれるようにしたらいいじゃないかって考えたんです。無垢床の良さも、素材としての性質も、自分で張ることでわかってもらえると思うんです。

そして、より簡単にユカハリができるように試行錯誤を重ねた結果が、床板のタイル化です。タイル化して施工性を高めて、細かいところは現場でお客さんにやってもらうという方法に辿りつきました。さらに、価格も安くなる。6畳くらいの部屋を無垢床にする工事を工務店とかに頼むとだいたい30万円くらいかかるんですけど、無垢床のタイルを山村から直接買って自分で貼るとなると、工具レンタルもろもろ含めて高くても4万くらいでできてしまうんです。

安く、簡単に無垢床の快適な空間を手に入れることができるということで、お客さまへの無垢床の直販+DIYがいいという結論に達しました。(※DIY:Do It Yourself.業者に頼むのではなく、自分の空間は自分でつくるという概念。)

無垢床は空気を変える。

最初のユカハリのテストは、大阪で友人とシェアハウスをしている女子大生の部屋でした。彼女も最初は「実験台になってもいいですよ」って感じで協力してくれたんですが、やってみるとすごく良かったみたいです。油ものの料理をしても、無垢床を貼ったリビングだけ匂いがしなかったそうなんです。無垢の木は臭いを吸着して空気を浄化する機能もあるんですが、それをはっきりと体感したようで、「無垢床恐るべし。びっくりしました!」っていうメールが来ました。

その次が、大阪の一人暮らしの男性の部屋。その人は、無垢床を貼ってから、ぜんそくの発作が出なくなったんです。その人、実はそのあと西粟倉移住することになったんですが、西粟倉に来てからまたぜんそくの発作が出るようになった。今住んでいる家は、無垢床でもなんでもなくて。都会の大阪では無垢床の部屋に住んで発作がおさまったのに、空気がきれいな西粟倉に来てから発作がでるようになった。ということは、都会か田舎じゃなくて、住んでいる部屋の空気が健康を維持する上でとても大切なんだと思います。

その後もいろいろな方法でユカハリの試験を重ねて来ました。無垢の床板を貼ってもらった人たち、人生で初めて無垢床で暮らした人たちが、みんなすごく良いと言って喜んでくれてる。使ってもらえさえすれば、良さが分かるようで。

山村がお客さまを持つことの意味。

これから西粟倉では、西粟倉産の材を西粟倉で最終製品の無垢床タイルにしてお客様に直接販売します。ユカハリで西粟倉の木と共に暮らしてもらえる人をたくさん増やすことは、この村とつながり持つ人を増やすことでもあるんですよね。それが大事なんです。そういう想いで、試行錯誤してきたんです。床って日本中にたくさんあるじゃないですか。しかも無垢の床にできるのに無垢じゃない床って、計算できないくらいたくさんある。なんとかこの未開拓で巨大な市場を切り開いていくことを、西粟倉から始めてみようとしているんです。ユカハリがお客さまによる草の根の活動として広がって、お客さまと山村がつながっていくと、都会も田舎も元気になって、日本も変わるじゃないかって考えているんです。大量生産の時代になって材料調達や生産がネックになる時代は終わって、圧倒的に希少なのはお客さま。山村がお客様に直販するっていうことは、山村が経済的に自立していくためにどうしても必要なことなんです。

ということで、ユカハリ・プロジェクトを始めようと。
ユカハリは、潜在な需要も、資源も有り余る程ある。日本には森も床もたくさんありますから。

日本の住空間を快適にするため、日本の森を守るため、日本の山村を元気にするために、西粟倉から動き出しました。

●無垢床タイルの詳細・ご購入はこちら
西粟倉マーケット

●無垢床タイル・ユカハリの概要についてはこちら
[西粟倉日記] ユカハリ

●無垢床タイルの使い方・ユカハリの事例についてはこちら
[西粟倉日記] ユカハリ事例集

●ニシアワー製造所については
[西粟倉日記] ニシアワー製造所(概要記事)
         ニシアワー製造所の紹介(詳細記事)

interview with daisuke maki (@daisuke_maki) + editorial by Naoko Atsuta(@att705)

2件のコメント »

  1. くじら より:

    無垢の床、本当にすごいいいですね!うちも無垢の杉材でマットを作っていただいてからというもの、その温かさと肌触りに夢中です。隙間ができるのも愛嬌というか・・・愛着が湧く床って初めてです。ありがとうございます。

  2. [...] ●ユカハリ・プロジェクト これはうちでもやってみたい。 [...]

この投稿へのコメントの RSS フィード。 / TrackBack URI

コメントをどうぞ

ミツマタ和紙で詠む 春の西粟倉村吟行ツアー

透明な風に吹かれて余花の村 ミツマタ和紙で俳句を詠む春の吟行ツアーを西粟倉村で開催。 岡山県の縹句…
続きを読む»

鹿肉カレーランチ

ゴールデンウイークは新装開店した新しい森の学校へ 「鹿肉カレーランチ」 4月28日(土)に森の学校…
続きを読む»

朝採れ野菜の即売会

旬の朝採れ野菜の即売会を開催。 西粟倉の農家さんがつくった野菜を直接仕入れて販売します。 西粟倉…
続きを読む»

鹿肉バーベキュー

● イベント概要 日程:4/29、5/2、5/3 時間:12:30~13:30 場所:森の学校校…
続きを読む»

竹林で間伐体験

竹は、すぎやひのきと違って、細くて軽いので、気軽に伐採の体験が楽しめます。荒れた竹林での間伐体験…
続きを読む»

ひのきのスプーンをつくって、鹿肉カレーを食べよう

森の学校の工作室がオープン!工作室担当の山田が講師をつとめます。無垢の木の香りや手触りにふれなが…
続きを読む»

トリイテーブルのひのきが生えていた、延東甚太郎さんの森を歩こう

先日日経ビジネスにも取り上げられました、弊社代表の牧大介がご案内する森林散策。延東甚太郎さんが植…
続きを読む»

新緑の原生林を、森の学校の牧大介が案内します

先日日経ビジネスにも取り上げられました、弊社代表の牧大介がご案内する森林散策。西粟倉村の最北端に…
続きを読む»

ひのきのスプーンを作って、鹿肉カレーを食べよう

ゴールデンウィークの森の学校の新装開店に向け開催した春のイベントでは、工作室がプレオープン。 ひの…
続きを読む»

ひのきの学習机づくり体験ツアー2011 組立工程

組立工程1日目 家具職人大島さんとの机づくり 昨年の10月から半年に渡って開催してきた「ひのきの学…
続きを読む»